Home > トリムイオンが選ばれるわけ
かねてから、電解還元水の効果には多くの関心が注がれ、飲用水は水素を含む抗酸化性を有する水として科学的な研究成果と共にその普及を後押ししてきました。
ところで、その効果が期待される反面、整水器には原理上宿命的ともいえる弱点があり、時にはその効果を安定して長期にわたり発揮することを困難なものとしていました。
つまり、その初期性能を長く維持することが大きな課題でもあったのです。
長く整水器を取り扱ってきた現場での経験から、これらをご紹介させていただきます。
整水器の設置は終わった─。
操作パネルのランプは点灯している。異常はなし。
お客様にひと通りの説明をする。
操作パネルの扱い方を実演し、還元水の効果的な飲み方をご紹介した。
いつも通りの手順。
あとは、正しく利用さえしていただければ、とくに問題はないはずだった─。
折りしも市場は空前の電解水ブームで、整水器の需要も伸びつつあった。
ようやくそのブームもひと段落して久しい頃・・・。
発端は一本の電話だった。
「還元水を飲み始めたころは、比較的すぐにお手洗いに行きたくなっていたのに、最近はそうなりません。還元水の効き目がなくなったのでしょうか?」
「機械にはとくに異常はないのですが、水の味が以前よりまろやかでない気がします。それに、以前に比べて胃に溜まるような感じもするんです。一度調べていただけませんか?」
お客様からの問合せに首をかしげる。機械は正常に動いているはずだ。そんなことはあるのだろうか? しかし、お客様は、微妙な変化から異常を感じ取っているようだ。
とにかく現地に向かってみよう。
問題の整水器を前に、電源、操作パネルの状態を確認してみる。
異常はない。
蛇口を開く。
メロディ音とともに流量ランプが点灯し、還元水が出てくる。
これも、異常はない。
お客様の思い過ごしではないだろうか?
そこで、整水器の水をグラスに注ぎ、試薬を落としてみる…。
「あれ!? 反応しない!」
異常がなければ、鮮やかなピンク色に染まるはずなのに、
わずかに薄く染まるだけ…。
「機械は正常に作動しているのに、還元水の効き目が徐々に落ちていく」──。
それにしてもなぜ?
それは、電解還元水の宿命とも言うべき、メカニズムにあったのです。電気分解は電解槽という箱を2つに仕切り、それぞれに電極を挿し入れ、水を入れて電流を流すことによりマイナス極側に還元水、プラス極側に酸性水を生成するというものです。
ところが、水の中のミネラル分(カルシウムなど)はプラスの電気をおびているために、マイナス極側へ引き寄せられ、ミネラル分が付着した電極は、やがて電極を覆ってしまい正常に電気分解ができなくなります。電気分解はメッキの原理でもあるため、その仕組み上、避けては通れない必然的なものだったのです。
このため、カルシウムやマグネシウムなどを多く含む硬水と呼ばれる水質では、電極があっという間にミネラルで覆われてしまい、すぐに使えなくなるという有様でした。
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カルシウムの付着は、整水器を使用するうえでの宿命でした。 |
この問題を解決すべく、当時から各メーカーがとっている方法は、電解直後にマイナス極に一時的にプラスの電気を流すことで、引き寄せられたミネラル成分を、今度は反発させて除去しようという洗浄方法です。 しかし、電極の極性が反転している時間が短く、使用環境によっては十分といえるものではありませんでした。
つまり、蛇口を閉じると同時に、電極のプラスとマイナスの極性が入れ替わり、さらに同時に電解槽内部の水も外部に排出されはじめます。(洗浄)
ところが、極性が反転している時間(つまり洗浄時間)は、この止水直後の残り水が排出されている間の、わずか数十秒(多くは約20~30秒程度)であり、水が無くなればまた元に戻ってしまうのです。
これは、整水器を使用している時間(電解時間)が長くても短くても、洗浄する時間は変わらないことを意味します。
そのため、連続して還元水を取り出す機会の多い場合や、硬度の高い水質ではマイナス電極にカルシウム分が付着しやすくなるのです。
皮肉にも、これらの影響を受けやすいのは、還元水の効果を期待する熱心な利用者でした。なぜなら、必然的に使用頻度も多くなり、さらには電解能力を高くして使うほどその傾向が強くなるからです。
しかも、この電解機能の低下は、日々利用する過程で少しずつ電極表面をメッキしていくので、外見からはわかりにくく利用者の中には気付かずに使い続ける方も少なからずあったのです。
その対策に苦心する中、これまでの「洗浄」とは異なる新たな方法が登場してきたのです。
開発したのは、整水器専門メーカー日本トリム(東証一部)でした。
「同じ電極でのみ還元水を作ることをせず、交互に酸性水も作らせる」――――――。
日本トリムが最も有効であると結論づけたのは次の方法でした。
今、水栓を開き還元水を生成している側のマイナス極が、次に水を出すときにはプラス極として酸性水を作るのです。反対に酸性水を作っていたプラス極はマイナス極として還元水を作らせるのです。
そして、これを交互に繰り返せば、それぞれの電極をプラスとマイナスとして使う頻度は同じになり、使用回数が多くそして試用期間が長くなるほど、平均化され使用しながらミネラルの付着を未然に防ぐことができるのです。
つまりオートチェンジ・クロスライン方式は、従来の洗浄を主眼とした一時的な極性反転ではなく、あらかじめ還元水の生成段階から極性反転を利用したどちらかといえば、ミネラルの付着を未然に防ぐことを実現した技術といえます。
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TI-8000にて、トリムが他社製品に先駆けて業界で初めて導入した「ダブル・オートチェンジ・クロスライン方式」は以降の機種の標準仕様となりました。 |
ところで、極性が入れ替わる度に取り出し口から出てくる水もその都度替わるのでは困ります。極性が替わっても、自動的に取り出し口(蛇口)からは、常に還元水が出てくるようにしています。
それから十数年。現在では水素が豊富な抗酸化性の高い還元水をつくりだし、その初期性能を安定的なものとする為に、なくてはならない技術となったのです。
オートチェンジ・クロスラインは、日本トリムの整水器には欠かすことのできない標準的なものとなり、現在ではTI-8000・TI-9000・TI-5HX・US-100などがラインナップされ、より高性能な「ダブル・オートチェンジ・クロスライン方式」が採用されています。
電解還元水を健全に普及させる為には、科学的な解明が不可欠と考えた日本トリムは、九州大学との産学協同による研究に着手しました。
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従来とは異なる評価基準に着目。 |
その結果、電解還元水が健康に対し有益な影響をもたらす新たな可能性を見いだすことにつながり、それはアルカリ性といったペーハー(PH)とは無関係で、抗酸化性にあることがわかってきたのです。
そしてそれは効果のメカニズムを解明する上で、水素との関係に着目するきっかけにもなりました。
つまり、ペーハーとは異なる新たな評価基準での整水器の開発、すなわち従来のアルカリイオン水の概念とは異なる視点で整水器を開発する必要性を示唆していたのです。
これらのことは、近年の同社製品には「アルカリイオン水」ではなく、「還元水」という表示を用いていることからもうかがい知ることができます。
水道水は、季節、地域によって水質が異なります。それは還元水を生成する上で不安定な要素となります。
そこで、どの地域でも水質に影響されることなく、同一の還元水ができる必要があります。
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お客様のお好みに合わせた、還元水レベルがいつでも安定してご利用いただけます。 |
これは一言でいえば、日本中どこに持って行っても、電気分解のレベルを一定に保つ技術であり、安定した電解還元水を生成するためには、電気分解する水に対して一定の電流を流さなければいけません。
日本トリムがその技術を確立したことで、整水器で設定したレベルの還元水がどこでも安定して生成することが可能になりました。(スイッチングレギュレーター方式)
これらの技術開発の背景には、抗酸化性を軸に人の体によりよい効果をもたらす水を追求する上で、整水器の耐久性を向上させ、さらには還元水の再現性にバラツキをなくし、性能における信頼性の向上を図る必要があったのです。
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≪整水器市場について≫ |
こうした、努力の積み重ねは、消費者からの信頼を得ることにつながり、2006年、整水器のマーケットにおいてトップシェアを獲得するまでになりました。
【右図:資料出典先 (株)日本トリム】
国の医療政策が治療から予防へと変わる中、国民医療費の削減という観点からも一人ひとりが病気の予防を心がけることが望まれます。日本トリムは、整水器の専門メーカーとして、電解還元水の医療への応用、特に予防分野に注力し、人々の快適で健康な生活を支援する社会貢献事業をグローバルに展開することをめざしています。